大使挨拶

令和元年11月11日

着任のご挨拶
 
この度、駐スペイン日本国大使を拝命し、2019年11月11日に着任いたしました。
 
大きく変動する欧州の中で、政治、経済、科学技術等あらゆる分野で存在感を増しているスペインに約40年振りに戻ることができ、大変嬉しく思います。
 
これまでの外務省生活において、安全保障問題を始め主要な政策立案に携わり、気候変動、開発問題を始めとする地球規模問題、様々な経済、貿易交渉を担って来ました。前職の4年にわたるインド大使としての勤務を始め、対アジア外交を中心に活動してきましたが、ヨーロッパにもパリ、ロンドンに合わせて約8年勤務した事があります。この様な経験を生かし、スペイン各界の様々な方々と議論を積み重ね、緊密に連携しながら、二国間関係を更なる高みに導くべく最善を尽くしたいと思います。
 
特に、私はこれまで経済関係は国と国との関係の基盤であるとの信念のもと仕事をして来ました。前任のインドでも多くの日本企業の進出をお手伝いしてきました。スペインにおいても、日系企業が良好で安全な環境のもと、その業績を伸ばされ、また多くの企業が新たにスペインに進出されるよう最大限支援して行きたいと思います。
 
スペインは、長い歴史と文化、伝統を誇る国であり、世界の人々の憧れの地でもあります。皇室・王室間の関係を含め、日西両国間の関係は長く奥深いものであり、両国民がお互いを尊敬し、親しみを感じていると聞いています。人と人の交流を含め、この様な関係を更に発展させていきたいと考えています。
 
特に観光文化面での協力には大きなポテンシャルを感じております。お互いの魅力を更にアピールし、観光客の飛躍的拡大を目指したいと思います。
 
また、日本文化普及にも尽力したいと思います。最近では、日本文化関係の書籍が多く出版されています。また、日本食の人気が急速に高まっています。各種日本酒イベント等も頻繁に開催されていると聞いております。これらの機運を活かし、更なる日本文化浸透に努めたいと思います。
 
40年前のスペイン滞在の際、多くの地を訪れ、スペインの多様な文化に感銘を受けました。今回も出来るだけ多くの場所、出来れば全ての県を訪れ、多くの人々と交流すると共に、この40年で大きく変貌したスペインを実感したいと思います。またそうした中で地方との交流にも積極的に取り組みたいと考えております。
 
外交面でも、EUが難しい舵取りを迫られる中でスペインがどの様な役割を果たすか、歴史的繋がりがある中南米諸国との政治、経済関係をどう深めて行くかは、日本にとっても重要です。このような点についても、政府関係者や様々な有識者と議論を深めて行きたいと考えております。
 
最後に、外交官としての自分の信条は、結果を出す外交です。今回のスペイン勤務においても、一つでも多くの具体的成果を積み重ねて行きたいと思います。
 
皆様からのご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 
 
駐スペイン日本国特命全権大使
平松賢司